【原状回復ガイドライン】民法改正!賃貸のトラブル回避

敷金が返ってこないっ!うそでしょ。
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退去時のトラブル回避の指標として これまで 国土交通省によるガイドラインが使用されて 2020年4月の賃貸運営に関わる民法改正で 賃貸借終了時のルールなど 明確化されました。
 
今回は 民法改正の内容も含めトラブル回避のために『 【原状回復ガイドライン】民法改正!賃貸のトラブル回避 』賃貸借の契約前に 確認理解しておくことが大切ですので 参考にして頂ければ 幸いです。

 

【原状回復ガイドライン】民法改正!賃貸のトラブル回避

 
国土交通省による『 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン 』が平成23年8月に発表されて 退去時のトラブル回避の指標として認識されています。 2020年4月の 民法改定によって 明確化された内容を含めて 掘下げてみます。
 

敷金が返ってこないっ!うそでしょ。

 
 

基本的なガイドラインの解釈

 

原状回復とは 賃借人(入居者さん)が 借りた当時の状態に戻すものではないということを明確にし 原状回復を『 賃借人(入居者さん)の居住 使用により発生した建物価値の減少のうち 賃借人(入居者さん)の故意・過失 善管注意義務違反 その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること 』と定義されています。

 
 賃貸住宅の価値の考え方賃貸住宅の価値の考え方

 

入居時点の状態で 経年劣化が考えられるもので グラフの出発点をどこにするかは 契約当事者が確認のうえ 予め協議して 決定することが適当とされています。

 

入居時の状態と負担割合

入居時の状況と負担割合

 
 
例えば 入居直前に設備等の交換を行った場合には グラフは価値100%が出発点となるが そうでない場合には 当該 賃貸住宅の建築後経過年数や個々の損耗等を勘案して 1円を下限に適宜グラフを決定することとなる。
 

経年劣化と負担割合経年劣化と負担割合

 
 

経年劣化で 耐用年数が経過したものでも入居者さんに故意過失があれば 負担はゼロではない

 

経過年数を超えた設備等を含む賃借物件であっても 賃借人(入居者さん)は善良な管理者として注意を払って使用する義務を負っていることは言うまでもなく そのため 経過年数を超えた設備等であっても 修繕等の工事に伴う負担が必要となることがあり得ることを賃借人は留意する必要があります。

具体的には 経過年数を超えた設備等であっても 継続して賃貸住宅の設備等として使用可能な場合があり このような場合に賃借人が故意・過失により設備等を破損し 使用不能としてしまった場合には 賃貸住宅の設備等として 本来機能していた状態まで戻す義務を負うことになります。
 

例えば 賃借人(入居者さん)がクロスに故意に行った落書きを消すための費用『 工事費や人件費等 』などについては 賃借人(入居者さん)の負担となることがあります。

 

ここで重要な点は
 
耐用年数が経過しても 故意過失である場合 修繕にかかる工事費等(工事費や人件費)は 賃借人(入居者さん)が 負担する必要がある。
 

 
 

2020年4月1日民法改正で変わったこと

 

今回の民法改正では 賃貸借契約に関連するものとして 次のような点について 見直しがされています。
 

 
賃貸借継続中のルール

 賃借物の修繕に関する要件の見直し
 賃貸不動産が譲渡された場合のルールの明確化
 
賃貸借終了時のルール
 賃借人の原状回復義務及び収去義務等の明確化
 敷金に関するルールの明確化
 
賃貸借契約から生ずる債務の保証に関するルール
 
 

今回は 賃貸借終了時のルールについて 掘下げます。

引用:詳細は法務省HPより 『 改正法の説明 』

 
 

賃借人の原状回復義務及び収去義務等の明確化

 

民法改正前のルールで 賃貸借契約が終了した場合には 賃借人は 賃借物件等を原状(元の状態)に戻して賃貸人に 返還しなければならない旨 明記されています。
 
この原状回復義務の範囲について 一般に通常損耗(賃借物件等の通常の使用収益によって生じた損耗)及び経年変化は 対象に含まれていないと解釈されていましたが 文言上は 明確ではありませんでしたが 今回の民法改正により 明記されました。
 

『 賃借人は 賃借物を受け取った後に生じた損傷について原状回復義務を負うこと しかし 通常損耗や経年変化については原状回復義務を負わないこと。 』

 

具体的には 下記を参考にして見て下さい。

 

■通常損耗・経年変化に当たる例

・家具の設置による床 カーペットのへこみ 設置跡
・テレビ 冷蔵庫等の後部壁面の黒ずみ(いわゆる電気ヤケ)
・地震で 破損したガラス
・鍵の取替え(破損/鍵紛失のない場合)
 

 

■通常損耗・経年変化に当たらない例
 
・引っ越し作業で生じた ひっかきキズ
・日常の不適切な手入れもしくは 用法違反による設備等の毀損
・タバコのヤニ・臭い
・飼育ペットによる柱等のキズ・臭い
 

 
 

敷金に関するルールの明確化

 

民法改正前の規定で 敷金とは 賃貸借に基づいて賃借人(入居者さん)が負うことになる金銭債務(賃料債務など)を担保するため 賃借人(入居者さん)が賃貸人(大家さん)に交付する金銭のことです。
 
建物等の賃貸借にあたっては 敷金が授受されるのが一般的でしたが 敷金の定義や敷金返還請求権の発生時期についての規定はありませんでした。
 
今回の改正で これらのルールが明確化されています。

 

敷金の定義は
 
『 いかなる名目によるかを問わず 賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる 賃借人(入居者さん)の賃貸人(大家さん)に対する金銭の給付を目的とする債務を 担保する目的で 賃借人(入居者さん)が賃貸人(大家さん)に交付する金銭。 』の事です。
 

  
  
『 賃貸借契約が終了して 賃借物が返還された時点で 敷金返還債務が生じること その額は受領した敷金の額からそれまでに生じた金銭債務の額を控除した残額であること。 』などのルールが これまでの実務に従い 明確化されています。
 
 

民法改正の施行日前後の契約について

 

賃貸借や保証などの契約については 原則として 施行日より前に締結された 契約については改正前の民法が適用され 施行日後に締結された契約については 改正後の新しい民法が適用されます。
 
 
■具体的には
 
施行日より前に 賃貸借契約と保証契約の双方が締結されている場合は 改正前の民法が適用されます。
敷金について 新たに設けられた民法の規定などは 適用されません。
 
 

施行日後に当事者が合意によって賃貸借契約や保証契約を更新したときは 当事者は その契約に新法が適用されることを 予測していると考えられますから 施行日後に新たに契約が締結された場合と同様に 改正後の新しい民法が適用されます。

 
 

施行日前に保証契約が 更新後の債務も保証する趣旨で 合意更新がされなかった場合には 施行日後も当該保証契約については 改正前の民法が適用されます。

 
 

経過措置の詳細については
引用:法務省HPから『 経過措置に関する説明資料 』

 
 

トラブル回避のために 契約前に確認して頂く事が大切

 

入居者さんに不利な特約は 記載されていたとしても 大家さんの原状回復義務が 免除されるわけではないので 内容次第で 特約が無効になる可能性があることと なっております。
 

入居者さんにおいては 契約時に 賃貸借契約の重要事項説明をしっかり聞き 契約内容や原状回復の定義 退去時の敷金の考え方などガイドラインと照らし合わせましょう。
違和感を感じたら 確認を行い 交渉や相談をすることで 入口でしっかり 双方合意の上での 契約の締結 トラブル防止を心がけましょう。

 
 
【このような事例も知っておきましょう。】
経過年数を超えた設備等であっても
 継続して賃貸住宅の設備等として使用可能な場合があり このような場合に賃借人が故意・過失により設備等を破損し 使用不能としてしまった場合には 賃貸住宅の設備等として本来機能していた状態まで戻す必要があります。
 

経過年数を超えた設備等であっても 賃借人(入居者さん)がクロスに故意に行った落書きを消すための費用『 工事費や人件費等 』などについては、賃借人(入居者さん)の負担となることがあります。

 
重要なことは インターネット上で 敷金は全額返金されます。などと言われておられる方もいますが 基本的には 大家さんはお部屋を借りて頂いている。入居者さんはお部屋を使わせて頂いている。
双方感謝の気持ちが大切です。
 

双方とも 善管注意義務がありますので トラブル回避の為 契約前に詳細の確認を行うことが重要です。

 

 
賃借人(入居者さん)が弱い立場として 保護されていますが 賃貸借契約を締結する際に 納得する内容か。分からない内容はないか。確認の上 署名捺印し 契約締結をするように 心がけましょう。
 

 
 
入居者さんが 退去の際に 署名捺印した契約書があっても 『 知らなかった。聞いてなかった。 』と言うことを耳にします。この様な場合 視点を変えて 考えて頂きたいところです。 立場が代わって大家さんだったら どのように考えるか。考えて頂ければ 契約書の署名捺印の重要性が分かって頂けると考えます。
 

しっかり 内容確認し 契約締結を行うように心がけることで トラブル防止に 役立てて頂ければ 助かりますね。

 
 

入居者さんにおかれましては 揉め事なく 楽しい新生活に向けて スタートを切るためにも しっかり確認し 署名捺印 契約締結をするように 心がけましょう。

  
  

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